糖尿病患者のケアにおいて、看護師が担う役割は多岐にわたります。糖尿病は、血糖コントロールが不十分な状態が続くと目や腎臓、神経などの合併症を引き起こしやすい病気です。そのため、看護師は患者の日常生活や食生活を指導し、適切な血糖コントロールを支援します。さらに、血糖値の測定やインスリン注射の指導も行い、患者自身が自己管理できるように教育します。糖尿病の治療は自己管理が非常に重要なので、これらの指導は患者の生活の質を向上させるうえで欠かせません。また、心身の状態が糖尿病に直接影響を及ぼすケースがあることから、患者の心理的サポートにも携わります。糖尿病を理由に生活が制限されたり、今後の健康への不安からストレスを感じたりする患者も少なくありません。看護師はそうした患者の感情に寄り添い、相談や励ましで心をケアします。加えて、糖尿病の合併症に早期の段階で気づくことも看護師に求められる役割です。例えば、足の傷の治りにくさや視力の急激な変化、血糖値の急激な変動などを見逃さず、適切な医療機関へ紹介することが挙げられます。患者が合併症のリスクについて十分に理解し早期に対処できるよう、情報提供も行います。糖尿病患者のケアで看護師が果たす役割は医療行為にとどまらず、生活全般にわたる支援まで多岐にわたります。そのため、看護師は患者の生活習慣の改善から心のケア、合併症の予防までを行う大事なサポーターと言えるでしょう。